エリック・ロメール
『満月の夜』(1984 仏)

とにかくパスカル・オジェがむちゃくちゃにいい。なのにこの『満月の夜』のあと急死したとか。1984年のヴェネチア国際映画祭ではこの『満月の夜』で女優賞なのにねぇ。死んだあとから受賞した? なんせ声が可愛い。1シーンで全裸にまでなってくれてるんだけれど、決して肉感的じゃないのだが、あのカラダなんかむちゃくちゃにボクのお気に入り。どこかクールでありながら、どこか天然でもあって、それがまたキュート。きゅーっと抱き締めたくなる。(をい、ヘタなシャレ言うてる場合かよ(^◇^;))

冒頭で引かれる、二人の恋人をもつとどうとかで、二つの家を持つとどうとかという「格言」は格言なんだけど、結局のところ、恋愛に正解なんてない、というのがロメールの答えなんだと、それはこの『満月の夜』に限らず、ロメールの作品を通じて言えるとボクは思うんだけれど、どうなんだろ。確かに満月の夜に迎えるその結末は一面的に悲劇的ではあるけれど、それが最終的な答えでなくてまた次に用意されている、用意していると、ラストのオジェの後ろ姿に見たんだけれどね。

話のあらすじとしては、かなりいらつく人も多いかもしれない。だけど、ボク個人的にこういうのはすごくわかるし、ルイーズ(パスカル・オジェ)の思考、行動についてもわかってしまうので、それが積極的にouiだとは言えなくても、そういうのも有りですねと思ってしまう。だから『満月の夜』を見て、ルイーズのような行動をする女性が現れたらいいと思う。援助しますよ(笑)

もうひとつ、なんでフランスの部屋はこんなにかっこいいんだろうと。ルイーズがインテリアデザイナーというキャリアだからとしても、かっこいい。フランスの生活様式を描き出しているなぁと思う。そうしたらすぐにぴぴぴんと小津が浮かんでくるわけで、例えば、ドアの向こう側にルイーズが入っていって姿を消す、再び現れてくるまでの長回しで、ルイーズの行動が見えてしまう、容易に想像できてしまう。もちろんフランス映画=ロメールの映画だから、言葉数、議論が多いのだけれど、その行間だよね、とくに真夜中のカフェで子どもの挿絵画家とのシーンとかね。

をっと、気がつけば、カメラがレナート・ベルタ、つまりダニエル・シュミットのカメラだったのだ。なるほど、どこか怜悧に切り取られたような、うーん、だからパスカル・オジェのどこか茫洋としたキャラとの相性がいいわけだ。

Les Nuits De La Pleine Lune

監督 脚本 エリック・ロメール
撮影 レナート・ベルタ / ジャン・ポール・トライユ / ジル・アルノー
出演 パスカル・オジェ / ファブリス・ルキーニ / チェッキー・カリョ / クリスチャン・バディム
★★★★☆
2002年07月23日(火)