ビットリオ・デ・シーカ
『ひまわり』(1970 伊))

全女性の感動を呼ぶ愛の名作!哀しく激しく燃えさかる女の心に、咲き乱れるひまわりは愛のかげろう

だいたい、ソフィア・ローレンなんて、ラッタッタァーだったし(笑) すでにひねくれ者になっていたボクはこんなの恥ずかしくてとても観れませんでした。とか、言いながら、かの『ラブ・ストーリー』はちゃんと観に行ってるのだった(ナンパ目的だよっ)。仮に観に行ってたとしても、何人周りで泣くだろうなんてアホな興味でしか観てないでしょう。その性癖はいまも治らず、『タイタニック』なんて観に行けません。

きっとたぶんその当時にこの『ひまわり』を観ても、けっ、甘い、甘い、なんてクソにしてたにちがいない。ふん、何が戦争のおかげで引き裂かれたって、そんなものイタリアなんぞでなくても、日本にだってごろごろ転がっとるわい。なんて小憎たらしいこと吐いてたにちがいないです。で、いまは?

へっ?反戦映画? 冗談は止めてけれぇー。男と女を引き裂くためには当時にしては、格好の材料だったというだけで、それは『君の名は』でも変わらないでしょ。さすがに『君の名は』となると、オカンの世代でなんだけど、誰も戦争がイカンとかというよりも、真知子と春樹の運命やいかにに終始しておったみたいだぞ。

「んで、ですね、これを二十歳そこそこのときに観なくてよかったなと、初めて観たんだけどね、つくづく思った。その頃には、あの男と女の情感なんて決してわからない。どこか、若さのせいか、突っ張ってしまうしね、これが最後(の恋愛)だななんてとうてい思うことなどできないもの。まだこれからどんなふうになって行くやらわからないもの。

ソフィア・ローレンがソ連の大地を巡ってやっとのことで、マルチェロ・マストロヤンニと出会うとき、それはじんと来たよ。それよりも、その直前、マルチェロ・マストロヤンニがソ連ですでに結婚していた相手のリュドミラ・サベリーエワとソフィア・ローレンのばちばちの緊張感のほうがすごかった。ここは息が詰まるって。そこんところの演出がもうほんと憎いくらいにすごいのだ。このシーンのソフィア・ローレンの顔がとにかくすごくてもう焼き付いてしまってるのだよ。とほほほ。。。。。

時間として十年からの長尺もんだから、とくにソフィア・ローレンのメイクのつくりの変化に注目。よくぞ、あのソフィア・ローレンをおばさんくさくメイクしたもんだと感心。

そしてやっぱりミラノを列車が出ていくときでしょ。ぐっと来て下さい。ぐっと来たら、じっくりと自分の歴史を振り返ってみましょう。弱いんだよねぇ。日頃、邪悪なことばっかり言うてますが、こういうのにはからっきしダメ。年、食ってしまったななぁ。

とにかく、この二人、上手過ぎ。これだけの情感をひっぱり出せるというのは

できることなら、もう一度、ひまわりのシーンだけでもでっかぁーい映画館で観てみたいと。ミラノのシーンはいいです。つぎ、観たら、今度は大泣きするかもしれないから。

I Girasoli

監 督 ビットリオ・デ・シーカ
音楽 ヘンリー・マンシーニ
出演 ソフィア・ローレン / マルチェロ・マストロヤンニ
★★★★★
2002年01月03日(木)