藤原新也
『風のフリュート』(1998 集英社)

藤原新也自身の小説『ディングルの入江』からごく少しだけ抜粋された文章がはさまった写真集。写真と文章そのものの直接の関連性はないが、冬のアイルランド、それもヨーロッパのもっとも西に位置するディングル半島を旅したときのもの。

ところでディングルってどこなのか、ボク自身、これを読む(見る)まで知らなかった。上に「ヨーロッパのもっとも西に位置」と書いているけど、さっき調べたとこ。最果てだろうってことは容易に想像できる。《ディングル》でググってみたら意外とたくさんヒットする。ぱらぱらと見ていると、日本からもけっこう多くの「観光客」が出かけている。そして「観光客」として写した写真がいくつも見られる。

旅人として最果てを見るのか、観光客として見るのか。もちろん藤原新也は前者としてとらえようとしているのだけれど、果たしてそれが正解なのか。受ける側としては、当然、観光客が見たものより旅人が見たもののほうが、写真の上手い下手は別にして、おもしろいのだが、ディングルに対する藤原新也としての固定観念を見せられているようで妙な違和感を感じたのも事実。藤原新也が表現したものだから、それも当然といってしまえばそれまでなんだけどね。

2004年09月02日(木)