藤沢周
『箱崎ジャンクション』(2003 文藝春秋)

過去を背負ったタクシードライバー室田と川上。二人はお互いに入れ替わることで、自分自身では決着をつけることができなかった過去へ決着をつけようとする。

前半はまるで首都高の箱崎ジャンクションの渋滞につかまったかのようにかったるいが、中盤からがぜんスピード感が出てくる。そして谷町ジャンクションでのスピンへ。最果てにたどりついたはずなのに、「果てがない」

ところで藤沢周にしても花村萬月にしても、たぶんいまや原稿用紙に向かって書きこんでるんじゃなくて、PCに打ち込んでるんだろう。「蹲る」「燻す」「蟠る」「眩暈」「饐えた」「綻んだ雲」など、ちょっと普通っぽくない言語表現が目立ちすぎる。容易に漢字変換できることが逆に奇異なものを感じさせる。きっと漢字読めないの続出だろうな。

2004年09月03日(金)